2009年7月10日 (金)

納税猶予税制の思想

 納税猶予税制には、大量の要件がありますが、その位置付けが難しい。
 なぜ、それが要件になっているのか。

 要件を定めたのなら、その前提に理論があるはず。
 理論があるのなら、その前提に、その理論を採用した価値観があるはず。

 あるいは、組織再編成税制のように、財界とのネゴで作られた税制なのだろうか。財界とのネゴで作られた税制なのなら、それを語ってくれるインサイダーはいないのだろうか。

 組織再編成税制の内情を語ってくれた経団連担当者阿部泰久氏の「別冊商事法務252 企業組織と租税法」は参考になった。

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1年に2度会う女性

 顧問先の娘さんが訪ねてくれた。
 親の代理として、夏と冬に挨拶に来てくれる。

 で、この女性が、何時になっても歳を取らない。

 若くなっていくような気がする。
 頭が良く、経済力があることは、こういうことかと、何時も思う。

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不動産投資の目的

 賃貸アパートの目的ですが、これが明確に意識されず、賃貸業は有利だというだけで選考されている。
 目的を明確にすることが必要です。

 【1】賃料を稼ぐためなのか。
 【2】生活の安全のためなのか。
 【3】老後の生活のためなのか。

 仮に、【1】なら、コストをかけず、収益性を高める。
 この場合の選択基準は利回りです。

 しかし、【2】と【3】なら、コストをかけ、賃貸物件の価値を高めておく。
 そして、いざ、必要となった時まで資産価値を保全しておく。

 仮に、ガン吹き工事をして1000万円を支払っても、500万円は、税務署持ち。
 経費に計上できるメンテは何でも実行し、資産価値を高めておくことが必要。

 生活の為には、賃料収入が不能なのなら、メンテに費用をかけて20年後の老後の備えよう。

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2009年7月 9日 (木)

コストの負担

 年金制度を廃止したら、生活保護世帯が大量に出現するだろう。
 終身雇用制度を廃止したから、ホームレスが大量に出現したのだろう。

 企業が、世界市場で闘うためには、終身雇用などは、国際競争力を減じる。
 そのような論がありますが。
 だから、派遣制度や、短期雇用制度が必要なのだという論ですが。

 しかし、日本全体のコストは、誰かが負担することになる。
 企業がコストを負担せず、美味しいところだけを食べれば、残飯の整理は行政の責任になる。

 それなら、年金制度や終身雇用制度を維持し、要保護者を出現させない方が、日本全体のコストは安くなると思う。

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経営承継円滑化法の確認

 経営承継円滑化法の確認申請ですが。
 こんなのは、弁護士には担当できません。

 担当するのは税理士です。
 顧問料をもらっていて、プラスαのサービスで実行できる。

 これを弁護士に相談したら、まず、当事者との信頼関係を確保する必要がある。
 利益相反があり、誰の代理人かを確定する必要がある。
 財産関係や、生活環境を理解する必要がある。
 申立書に書き込む数字の意味を理解する必要がある。
 株価の算定の意味内容を知る必要がある。
 円滑化法なんてのが存在することを理解し、条文を読む必要がある。

 だから、日々、顧問料を受けとり、プラスαのサービスで処理ができる税理士が登場するのが一番。

 家庭裁判所の処理のように、家族の全員にとって良い方法を選択し、実行するのは、利益相反規定が存在する弁護士よりも、税理士の方が向いています。
 現実に、家庭裁判所の処理で、調停を除いたら、たぶん、75%の処理は、税理士が代行していると思う。

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ドキドキします

 弁護士業なんて簡単です。
 事件が起きた後に登場するのが弁護士。

 つまり、原因も、結果も分かっているのです。
 そして、判断基準は、特別法を除き、2000年の昔から存在する常識です。

 カネを貸したら返して貰える。
 土地を売ったら代金を支払って貰える。

 そんなのは、ローマ時代から続いている社会の常識です。
 ただし、子供の喧嘩としてのドキドキがあります。
 勝つこともあり、負けることもあります。

 しかし、税法は、これから生じることを判断する必要がある。
 理屈のある税法、理屈のない税法、理屈が判明していない税法。

 税法判断は、ドキドキします。
 私なんか、一日の内の半分くらいは調べ物をしている。
 それでも分からないのが税法です。

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納税猶予と5年内の破綻

 贈与税、あるいは相続税について、納税猶予を受けた。
 そして、5年内に破綻した。

 その場合は、株券について担保実行されればチャラよ。
 そのような解説がありました。
 中小企業庁の担当者の解説です。

 しかし、これは担保制度に反します。
 担保権を実行し、それで回収できない場合は、他の資産から返済をすることになるのが、民法上の担保の理解です。
 あるいは、納税猶予については、担保株式の処分のみで免責されるというノンリコスローン形式が採用されているのでしょうか。

 理論のない税法は、理屈(が無いのですから)の理解に苦労します。

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兄弟会社を2つに分ける

 兄弟が経営する会社を2つに分けられた便利です。
 これが可能とする解説を見付けました。

 全部取得条項付種類株式と分社型分割を利用する方法です。

 甲社は、弟が所有する株式を全部取得条項付種類株式に変更し、これを会社が取得すると同時に、新設物的分割によって乙社を設立する。

 甲社が取得する乙社の株式を弟に交付し、甲社は取得した全部取得条項付種類株式を消却すれば、甲社は兄だけの会社になり、乙会社は弟だけの会社になる。

 うーん、これは案分型要件を満たさず、非的各会社分割になってしまうはずだ。
 と思って、調べてみたら、組織再編成の大ベテラン佐藤信祐氏の税制適格要件の実務Q&A(第3版)に、これは非適格と解説してあった。

 組織再編成に関する手続については、数冊の書籍を比較して検討し、さらに、自分のアタマで考えないと処理できません。
 まさに、マニアックなパズル税法です。

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隣の同僚

 税理士や、弁護士の場合は、隣の同僚って役に立たないのです。

 仮に、「自己株式の取得は配当所得なんだね」と質問すると、彼は、その理屈を知らなかったのに、「そうなんだよ」と答える。

 彼に、「所得税額控除を失念してしまった」とミスを告白すると、彼は、自分でも知らなかったことなのに、「それはミスだ」と答える。

 仲間内の会話で、なぜ、皆さん、これほどに知識が有るのかと不思議に思ったことがあります。

 でも、それって、ただ、話を合わせているだけのこと。
 相手の話し方、表情を見れば、次に答えるべき回答は、その場で思い付く。

 だから、相談すれば、相談するほど、ストレスが高まる。
 それが、同業者夫婦の離婚率の高さだと思うのです。

 隣に、ストレスを高める同僚がいて、ミスをミスだと指摘する。
 つまりは、隣の同僚は、プライドのある競争相手なのです。

 それに比較し、税務署の隣の同僚は、そのような駆け引きしない。
 俺達、同レベルの同僚という純粋な仲間意識がある。
 そんなところで、知識を競っても、意味はない。

 このMLも同様。
 無知や、ミスは、明日は我が身だと考えて答える。
 知識を競っても意味はない。

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2009年7月 8日 (水)

派遣会社の別会社脱税

 人材派遣会社が、消費税の脱税について、別会社方式を利用する。
 これって査察が入る処理なのですが、未だに、それを実行している人達がいる。

 社長は、新聞を読んでいないのだろうか。
 税理士は、新聞を読んでいないのだろうか。

 しかし、税法理論で考えれば、これって許される手法です。
 会社を設立し、そこで社員を雇用し、本体会社に人材を派遣する。

 仮に、会社を2年毎に設立しても、それが違法になるわけではない。
 しかし、査察が入れば、「別会社を設立し、人材を移動したことにした仮装の処理」と事実認定がされてしまう。

 下品な消費税の節税手法ですが、自動販売機節税と同じで、法律上は許される節税手段のはず。

 それを事実認定で、当事者が認識していた「別会社を設立し、人材を移動した」という事実を、「別会社を設立し、人材を移動したことにした」と事実認定をしてしまうのは、予測可能性を欠きますし、税法に、道徳を持ち込みすぎる。

 消費税が、不完全な税法であるが故の査察事案だと思う。

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二重資格と相続

 一人の相続人が、配偶者としての相続分と兄弟としての相続分を有することがあります。
 婿養子について、妻が死亡したが、その夫婦の間には子供がいないという場合です。

 相続人は配偶者と兄弟姉妹になりますが、夫は、配偶者の地位と兄弟姉妹の地位を有することになります。

 相続人と代襲相続人の地位を兼ねる相続人もいます。
 孫を養子にしたが、祖父の死亡の前に父親が死亡してしまったという場合です。
 養子は、養子としての相続分と、父の子としての代襲相続人としての地位を有します。

 登記の実務では、前者については配偶者としての相続分のみを有し(民事局長回答 昭和23年8月9日 民事甲2371号)、後者については二重の相続分を有すると取り扱っています(昭和24年9月15日 民事甲2040号民事局長回答参照)。

 さらには、十重資格の相続人も想定されます。

 兄弟10人の養子になった。
 その後、兄弟10人が死亡した。
 その後、父親が死亡した。
 養子は、代襲相続人(孫)として10人分の相続権を持つのでしょう。

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税務職員は真面目

 税務職員は、なぜ、真面目に働くのか。
 妥協することもなく、手を抜くこともなく、熱心に仕事をします。

 そのことを、事務所に来る同業者、あるいは出版社の方々に質問しても答えが出ません。国家財政の為という抽象的な目的では働けませんし、ノルマで働くのでは熱意が続きません。

 彼らの熱心さは、「与えられた職務に対する誠実さ」と説明すると、皆さん、目からウロコという。なぜ、これほど身近な税務職員の行動原理が理解されていないのか不思議です。

 敵を知らなければ、勝負になりません。

 さらには、税務職員が誠実に仕事をしていることを考えれば、私達も、手を抜かず、妥協せず、誤字一文字も出さないつもりで、自分の仕事に向き合う必要があります。皆さん、誠実に仕事をしているのだと気がついて以降、契約書のチェックや、原稿のチェックなど、熱意が途切れがちの仕事も、嫌ではなくなりました。

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異議申立の位置付け

 異議申立は、不服審査の手続ではありません。
 税理士と税務職員が、感情的に、どうしようもなくなったときに、課税庁側の担当者を入れ換えてくれる手続です。

 税理士も、過去のやり取りを蒸し返さず、新鮮な気持ちで交渉を開始する。
 税務署側も、異議決定を書く必要があることから、新鮮な気持ちで、事案を分析してくれます。

 さらには、最終結論として、異議決定を書いてもらうのも間違いです。
 減額更正処分と、異議申立の取り下げで決着するのがプロです。

 異議決定を書いてもらうのは、5年の除斥期間が経過し、減額更正処分ができない場合に限ります。
 もちろん、異議が、事実としても、理屈としても、認められないことが判明したら、素直に、異議申立を取り下げる。それもプロの決断です。

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隣の同僚

 税務職員は、なぜ、優秀なのか。

 彼らは、理論ではなく、事実で闘う。
 事実なら、試験に合格していなくても、現場で学べる。
 少年探偵団の心を持てば、怪人二十面相のインチキが見破れる。

 それに現場経験の数が違います。。
 法廷経験が弁護士の現場経験であると同じように、税務調査が税理士の現場経験です。
 その数において、税務職員は、圧倒的に現場経験が多い。

 さらには、彼らには、隣の同僚がいる。
 何時でも、疑問案件を隣の同僚に質問することができる。
 税理士には隣には同僚がいない。
 さらには、プライドのある同僚であり、自分の無知をさらけ出しての質問がし難い。

 で、taxMLは、隣の同僚です。
 ふと、疑問が生じたら、まずは、メールに書き込んでおく。

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2009年7月 7日 (火)

分母は120%

 専門家は、あれやこれやと、あり得ないリスクについて心配します。
 これって、分母が120%だからなんですね。

 100%安全だと思える処理でも、120%安全だというわけではない。そこで、専門家は20%のリスクについて、あれやこれやと心配する。見えるリスクなら対策の取りようがありますが、見えない(気がつかない)リスクなので、あれやこれやと心配する以外にない。専門家の報酬は、この心配料の対価なのだろう。

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運が良い人悪い人

 法律上のトラブルを扱っていると、運が良い人と、運が悪い人がいると思う。判断が、常に、裏目に出る人と、そうでない人です。

 何が違うのか。
 たぶん、次の具合なのだろう。

 秀才は、10個の判断をして、5個について間違える。
 鈍才は、100個の判断をして、50個で間違える。

 つまりは、秀才は、100個の内の90個については、判断を要せずに、正しい道を歩く。だから、大秀才になり、99個は判断を要せず、必要とするのは1個の判断ということになれば、さらに判断ミスが少なくなる。

 勉強しよう。
 と、思った。

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借地権の入り口課税

 借地権を無償設定すると、権利金の認定課税が行われる。
 そのように説明されてますが、しかし、実際に、認定課税を受けた事例を聞きません。

 つまり、借地権については、租税回避事案でない限り、入り口課税は行ってはいないのだろう。仮に、調査の現場で無償設定が問題になっても、無償返還届の提出を指導され、それで終了するはずです。

 借地権課税は、相続、贈与と、出口でしか問題にならない課税の理屈だと思います。あるいは、借地権の無償設定について、権利金の認定課税を受けたという実例を聞いた方はいますか。

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合併比率の計算

 中小企業の合併比率は、要するに、贈与税の問題ですね。
 では、財産評価基本通達以外の資料で合併比率を計算していたら、本当に、贈与税が課税されるのか。

 これは、たぶん、他人間税法と身内間税法の違いですね。

 他人間で合併する場合なら、当事者間の力関係による合意であり、DCFでも、何の根拠もない当事者間の合意でも、実務は是認すると思います。
 要するに、企業をM&Aする場合と同じであり、M&Aの企業価値の評価では贈与税の課税は心配しません。

 さらに、直接に資本価値の移動が生じる場合は相続税法基本通達9−4であり、9−4で課税するのは親族間の価値の移動に限っています。

 では、身内間税法で、かつ、親族間に価値の移動が生じる場合はどうか。
 要するに、食卓のテーブルを囲みながら合併比率が合意されるような場合です。

 実際には課税しないように思いますが、でも、節税になる場合は危ないように思います。

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2009年7月 6日 (月)

税務大学校のシステム

 借方と貸方を知らない人達を集めて、税務職員に育て上げる。
 税務大学校の教育システムは、世界に誇れる優れた教育システムです。

 民間の大学の場合は、仮に英語力を取り上げれば、入学時よりも卒業時の方がレベルが落ちてしまう。仮に、一般の大学が税務大学校の教育システムを取り入れたら、入学時に比較し、格段に優秀な学生を社会に送り出すことができると思う。

 税務大学校で育て上げられた人達は、書類を隠したとか、書類を破いたなんて小手先のことで対象会社を締め上げるのではなく、淡々と、増差税額を確保していきます。

 そのような教育システムが、税務大学校の中だけで採用され、閉鎖的な教育システムになっているのは勿体ない。民間の人達も受け入れる形で、税務大学校の教育システムが解放されたら、日本の教育レベルは、一段、ステップアップすると思う。

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不動産任意売却法は先送

 「不動産任意売却促進法」の成立が予定されていたのですが、これって先送りになったのですね。
 弁護士会の反対もあり、リスクも指摘されていたとか。

 不動産任意売却促進法は、裁判所による後順位抵当権の抹消を可能にするもの。
 ただし、抵当権者が1ヶ月以内に競売を申し立てた場合、あるいは売却予定価額の5%を上乗せした金額で買い取る売却先を確保した場合は抹消されない。

 しかし、そもそも、競売手続を裁判所に任せておくのが時代遅れなのだと思います。
 競売などは、民営化すべき筆頭の手続です。

 さらには、競売機関は仲介するだけで、瑕疵担保責任を負わないのも不経済。
 そういう方法ではなく、民間機関が物件を一度は買い取り、商品として売り出す方法にしたら、一般の人達も、大手不動産業者から建物を買う安心感で物件を買い取ることができるようになります。

 それが正しい市場でしょう。
 なぜ、民間競売を認めないのか、不思議です。

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東京家裁の取り扱い

 東京弁護士会から会報が送られてきました。
 LIBRA7月号です。

 東京家裁の取り扱いについての特集ですが、気になったのは遺留分の放棄。
 遺留分の放棄は、書記官よる書面照会で済ます手続に分類されてました。

 円滑化法の遺留分の合意も、この「軽さ」で処理してしまうのでしょうか。
 遺留分放棄は、相続制度について重要な意思決定であり、裁判所が面接し、当事者の意思を確認すべき手続を思います。

 書記官よる書面照会で済ます手続
 …… 相続放棄、特別代理人選任、遺言執行者選任、離縁許可、遺留分放棄許可

 参与員による予備審査
 …… 氏の変更、名の変更

 調査官による事前調査
 …… 養子縁組許可、特別養子縁組成立

 審判廷における審問
 …… 遺言書検認、遺言執行者解任

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2009年7月 5日 (日)

税法的な倫理観

 自動販売機節税
 消費税節税のための子会社設立
 生命保険節税
 航空機節税
 養子縁組節税

 どこまでが正しく、どこから間違った手法なのか。
 要件だけを論じていたら、そのような倫理観は何時になっても育ちません。

 違法と合法との境目には赤い線は引いてありません。
 倫理に反する処理をしていれば、何時かは違法の赤い線を超えてしまう。

 税法的な倫理観を持たない人達が、テクニックとして税法を扱うのは間違いです。
 それは、まさに刑務所の塀の上を歩くのに等しい。

 では、何が、税法的に正しく、何が倫理に反する処理なのか。
 要件の前提には理屈があり、理屈の前提には価値観があります。

 価値観レベルで、事象を斜めに見て、倫理的な妥当性を検証し続けない限り、法律家としてのセンスは育ちません。

 だから、事象を斜めに見て、常識がどこにあるかを、常に、検証する。それが、専門家としての生き残りの知恵です。

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税務署とドロボーが怖い

 「なんでも鑑定団」で、出演者が、集めた骨董品は誰にも知られないところに保管していると語っていた。

 司会者の質問に答えて「税務署とドロボーが怖いから」と答えていた。
 そんなことをテレビで発言したら、税務署だって黙ってはいられない。

 で、本人評価額5000万円に対して鑑定結果は1万円。
 アハハの歯。

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緊急時の遺言

 民法は緊急時の遺言として4つの方法を準備しています。

 死亡危機者の遺言
 伝染病隔離者の遺言
 在船者の遺言
 船舶遭難者の遺言

 しかし、これらの緊急時であってお、自筆証書遺言の作成が可能です。
 なぜ、このように使いもしない条文が存在するのか。

 たぶん、民法はヨーロッパから輸入された条文だからなのですね。
 日本の識字率は、江戸時代であっても、非常に高かった。

 18世紀の識字率は、ロンドンが20%、パリが10%、江戸が70%という資料もある。
 文字が書けない人達がフランスの条文を、文字が書ける日本が真似をして受け入れた。

 それが緊急時の遺言の規定なのだろう。

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2009年7月 4日 (土)

石油の時代(その3)

 サウジアラビアの元石油相が、今日の日経新聞に語っています。

 かって70%を占めたOPECのシェアは、30%まで落ち込み、今は40%程度。
 ロシヤやブラジルなどの新しい産油国の影響だ。
 OPECの影響力は長期的には低下が避けられない。

 さらには代替エネルギーの開発がある。
 石油に変わって登場するのは水素エネルギーだろう。

 原油は、まだ、地下に眠っているし、コストをかけて新技術を使えば、採掘できる。
 だが、時代は技術で終わる。

 石器時代は、石がなくなったから終わったのではない。
 と語っています。

 表現がオシャレですね。
 なるほど。
 石器時代は、石がなくなったから終わったのではないのだ。

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石油の時代(その2)

 サウジアラビアの元石油相が、今日の日経新聞で語っています。

 石油価格は7月に147ドルを付け、金融危機で30ドルまで急落し、最近は70ドル。
 需給以外のヘッジファンドから大量の投機マネーが市場に流れ込み、彼らが景気をどう見るかで、暴騰したり、急落したりと。

 そのように述べてますが、しかし、これは正しい理解なのだろうか。

 市場は、参加者が多い方が安定する。
 参加者は、人数ではなく、投資金額です。

 そして、市場に影響を与えられる投資家は存在しないし、市場に影響を与えてしまっては、その投資家は儲けられない。

 だから、ヘッジファンドが価格を操作しているのではなく、市場が、価格を決めているのだと思うのですが。

 しかし、実経済が、147ドル、30ドル、70ドルと、変動するはずはない。
 いや、リーマンショックなどを考えると、実経済が、このような動きをしているのかも知れない。

 市場って、難しい。

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石油の時代

 石油が使われ出して100年は経過しないだろう。
 石油の使用は、今後、100年で終わるだろう。

 私達は、地球誕生45億年のストックを200年で使い果たす時代に生きている。
 この200年の間に生まれた私達は、非常に幸運だったと思う。

 私達は、過去のストックを潤沢に食いつぶす時代に生きている。

 石油より前の時代は、自給自足の時代だった。
 石油より後の時代は、自給自足の時代に戻る。

 燃料だけではなく、車、衣服、道の舗装、ビル、テレビなど、石油を原料としない商品は、社会には存在しないと思う。
 石油を使い果たした後は、仮に、道の舗装はトウモロコシで行うのだろうか。

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2009年7月 3日 (金)

知識の利用は自由です

 メンバーの皆さん。
 taxMLで手に入れた知識の利用は自由です。

 実務で使うのが自由なのは当然として、雑誌などに、自分の意見として書くのも自由。
 taxMLは、知識を出し惜しみしない、何でもオープンのMLです。

 ぜひ、taxMLで学習し、あちらこちらで活躍して下さい。
 その活躍が、また、taxMLの知識として戻ってくる。

 つまりは、鮭の放流と同じです。
 知識は惜しみなく放流することによって、大きくなって戻ってくる。

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書面によらない贈与

 書面によらない贈与は撤回が可能です。
 なぜ、撤回が可能なのか。

 その理由は4500年も遡ります。
 アブラハムの妻であるサラが死亡しました。

 アブラハムは、遊牧民族ですので、土地を持ちません。
 そこで、土地の族長に、土地を譲って欲しいと申し入れました。

 族長は答えて言いました。「ご主人、畑地をあなたに差し上げます。亡くなられた方を葬ってください」

 アブラハムは告げて言った。「私は畑地の代価をお払いします。どうか私から受け取ってください」そして、銀400シェケルを支払い、アブラハムはサラのための墓地を手に入れました。創世記に記載のあるやり取りです。

 なぜ、400シュケルを支払ったのか。それは、無償で贈与を受けた土地は、贈与者は、何時でも取り戻すことができるというのが、その頃の慣行だったからです。

 その慣行がナポレオン法典に取り入れられ、そして日本の民法に取り入れられた。つまりは、書面によらない贈与を撤回可能とする条文は、4500年前のユダヤの慣行に遡るのです。

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民事再生法は混血

 会社更生法は、管財人型の再建手法です。
 それに対して、和議法は、債務者主導型の再建手法でした。

 そして、ここらを折衷した制度として、民事再生法が完成した。
 民事再生法は、原則としては債務者主導型の再建手法なのですが、管財人型の再建も可能としている。

 だから、相殺時期の制限など、管財人型の再建手法において採用される制限が取り込まれている。つまりは、混血型の制度として作られている。

 民事再生は、思想は和議型再建だが、会社更生法スタイルと理解しておけば、制度の思想が理解できるかも知れない。

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相続人への贈与と遺留分

 贈与が法定相続人に対して行われた場合は、相続開始日の1年以内か否かにかかわりなく、特別受益とされる贈与の全てが遺留分減殺の対象になる。

 このように判断したのが最高裁平成10年3月24日判決です。
 理由は、民法1044条が、特別受益の範囲について民法903条を準用していること。

 でも、903条は特別受益財産の取り戻しまでは認めていません。
 だから、最高裁の判決には疑問があったのですが、でも、法律家は、最高裁判決が出ると思考停止で、この疑問に答える解説は登場しません。

 で、見付けました。
 「埼玉弁護士会編 新版遺留分の法律と実務」です。

 法定相続人に対する贈与を無条件に遺留分の対象に含めることについては、消極説と積極説の争いがあったそうです。消極説は、特別受益の持ち戻しと遺留分の減殺とは制度的な意義を異にし、遺留分算定と遺留分減殺の対象とは必ずしも一致しないと論じていました。

 なるほど。
 私のように条文解釈をする説もあったのだ。
 この解説を見付けて、ちょっと安心しました。

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遺留分の歴史と事業承継

 経営承継円滑化法は、中小企業者の株式等について、遺留分の合意を認めます。
 固定合意、除外合意などと呼称されている合意です。

 しかし、遺留分について、このような合意を認めて良いのでしょうか。
 遺留分というのは、相続人の最低取り分の保証で、歴史は古代ローマに遡ります。

 古代ローマ法では、家長が持つ財産処分権の一部制限として導入され、ゲルマン法では、家団に属する財産の一部処分を認める制度として導入されました。

 日本では家督相続人の相続権の確保として採用されきました。家督相続を廃止した現行民法では、【1】遺産には近親家族の潜在的持分が含まれているので、それを家族に取得させるという趣旨と、【2】遺産の一部を相続人の生活の保障の為に相続させる制度と位置づけられています。

 そのような歴史を持ち、かつ、必要性のある制度を、事業承継の必要性などという技術的な理由で、例外を設けることが正しいのか。大いに疑問がある制度です。

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相続財産法人の申告

 相続人が存在しない場合は、相続財産は法人になります。

 さて、相続財産に入金する家賃などの果実は、本当に、法人税が課税されるのか。相続財産を処分したときは、譲渡益について、本当に法人税を申告する必要があるのか。

 債務を精算した後の残額は、いずれ国に帰属するので、法人税を申告する必要はないといわれることが多いのですが。それに、個人の財産だったのに法人税が課税されるのも違和感。

 しかし、含み益が実現しても課税されず、全額が債務の弁済に充てられるのも不合理かと。うーん、譲渡代金の全額が債務の弁済に充てられるような相続財産なら、所得税法9条の視力喪失の場合の非課税と考えれば良いのかもしれない。しかし、法人税の課税では、所得税法9条は使えないだろう。

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118億円の損失

 某大学が資産運用に失敗して118億円の損失を計上したそうです。
 その大学の過去10年間の資産運用収入35億円を大きく上回る。
 今日の日経新聞です。

 大学に限らず、大きな資産を持っていたところは、リーマンショックで、大きな損失を被っていると思う。

 年金基金
 生命保険各社

 国民は、年金基金などに、市場利率を上回る運用を期待しますが。
 それは市場リスクを大きく上回る危険を引き受けることと等しい。

 しかし、他人のカネを博打に注ぎ込むサラリーマン、あるいは公務員の勇気は凄いと思う。無責任というのかも知れない。

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2009年7月 2日 (木)

脱税に巻き込まれて

 税理士が脱税事件に巻き込まれてしまった裁判事案が判例時報に紹介されてました。
 名古屋地裁平成20年10月9日判決(判例時報2039号57頁)です。

 最終的には無罪になったのですが、9月1日から翌年の3月9日までの拘置所暮らし。そして、刑事事件に要した弁護士費用は2971万円だそうです。

 原告は、刑事事件の第1審及び控訴審の弁護をS弁護士及びM弁護士に依頼し、それぞれ時給1万5000円による弁護費用の支払を約束した。

 S弁護士は、本件刑事事件の弁護のために、少なくとも第1審に800時間、控訴審に557時間を費やしたので、その弁護士報酬は2035万5000円である。
 M弁護士は、本件刑事事件の弁護のために、少なくとも第1審に450時間、控訴審に174時間を費やしたので、その弁護士報酬は936万円である。
 上記両弁護士に対する弁護士報酬の合計は2971万5000円になる。

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タクシーの1日の売上

 東京のタクシーの1日の売上が27年ぶりの低水準だそうです。
 今日の日経新聞です。

 1日当たり3万8243円。

 私も、運転手さんからは、リーマンショック以降、1日当たり1万円から2万円の減少と聞いてました。それ以前は5万円、あるいは6万円台だったと。

 私は、地方都市に行くと、タクシーの売上を聞きます。
 その都市の経済指標の1つですから。
 多くの地方都市では1日当たり2万円。

 内閣府が発表する経済指標よりも、タクシーの1日当たりの売上の方が、遙かに、経済実態を表す。ボトムアップ型の経済予測で、下町の経済学です。

 で、この売上を、運輸局は集計しているそうです。
 そしたら、これをネットで見ることが出来たら、政府発表の経済指標よりも信用できます。

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2009年7月 1日 (水)

弁護士の準備書面

 弁護士の準備書面は、何故、ねっちりしていて、読み難いのか。
 なぜ、新聞記事、あるいは教科書のような分かりやすい文章が書けないのか。

 読んで貰い、主張を理解してもらうために文章を書くのではないのか。弁護士が提出した文書を読み解くのは、裁判官の義務だと考えているのか。

 私のメールのような文章を書けば、一読で理解できるはず。もしかして、理解されると敗訴なので、わざと読み難くしているのか。

 弁護士業界では、若い弁護士も、即、年寄りになる。先輩の文章の作り方を学習するので、同じような文章を書き、同じような発想になる。

 文章だって、主張の組み立てだって、オリジナリティが命です。
 相手が考えていないところの主張で、相手方の足下をすくう。
 それが裁判の楽しさであり、遊びの心であり、創造の喜びです。

 文章が下手な弁護士には仕事を頼まない方が良いと思う。

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納税猶予通達の出現

 大量の納税猶予通達が出現しました。
 これはapbooksにせざるを得ないだろうと思っています。
 ただ、いま、時間的にも、精神的にも、ゆとりがない。

> Apbooksにすれば、皆さん、使いやすい。

 掛川さん作を、私のホームページにアップしておきました。
 「六法&税務六法」の「その他」です。

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居住用財産の特別控除

 夫から妻に配偶者に対する贈与特例を使って居宅を贈与し、共有状態にした上で譲渡して、夫婦で各3000万円控除を受ける。

 さて、この場合に、敷地の贈与に限るのか、建物の贈与の場合もokなのか。
 両方とも、okなのですね。

 敷地を贈与した直後の売却はokとしているのが、「土地建物等の譲渡をめぐる税務」の149の贈与により取得した居住用家屋の敷地を直ちに譲渡した場合です。

 建物を贈与した直後の売却もokとしているのが、「居住用財産譲渡・買換えの税務」の25で居住用家屋の贈与が行われた直後にその財産が譲渡された場合です。

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債務の存在と遺留分

 最高裁の平成21年3月24日判決を読んでみました。

 2億円の資産と、1億円の債務だ。
 財産全部を長男に相続させるという遺言書がある。

 その場合は、差額の1億円の4分の1が遺留分だ。
 当該相続人に債務の全てを相続させる旨の意思が表示されたと解すべきである。

 上記が最高裁です。
 しかし、遺言書に従った債務の承継を債権者が認めないときは、次男は、債務を2分して承継することになります。その場合は、債務を履行した次男は、長男に対して求償権が行使できる。

 第1説 …… 相続分の指定は、債務について、相続人間には効力があるが、債権者には効力がない。これが最高裁判決です。

 第2説 …… 相続分の指定は、債務について、相続人間にも、債権者にも効力がある。これが国税通則法5条(相続による国税の納付義務の承継) の理解です。

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