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2009年7月 3日 (金)

相続人への贈与と遺留分

 贈与が法定相続人に対して行われた場合は、相続開始日の1年以内か否かにかかわりなく、特別受益とされる贈与の全てが遺留分減殺の対象になる。

 このように判断したのが最高裁平成10年3月24日判決です。
 理由は、民法1044条が、特別受益の範囲について民法903条を準用していること。

 でも、903条は特別受益財産の取り戻しまでは認めていません。
 だから、最高裁の判決には疑問があったのですが、でも、法律家は、最高裁判決が出ると思考停止で、この疑問に答える解説は登場しません。

 で、見付けました。
 「埼玉弁護士会編 新版遺留分の法律と実務」です。

 法定相続人に対する贈与を無条件に遺留分の対象に含めることについては、消極説と積極説の争いがあったそうです。消極説は、特別受益の持ち戻しと遺留分の減殺とは制度的な意義を異にし、遺留分算定と遺留分減殺の対象とは必ずしも一致しないと論じていました。

 なるほど。
 私のように条文解釈をする説もあったのだ。
 この解説を見付けて、ちょっと安心しました。

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