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2015年8月24日 (月)

法定相続分の払い戻し

 預金は、
 可分債権ですから、
 遺産分割を要せずに当然分割。

 ところが、銀行は、
 訴訟を起こさない限り、
 法定相続分の払い戻しに応じない。

 それが実務ですが、
 その実務が否定されました。

 高裁判決で、
 上告も不受理で確定。

 銀行は、今後、
 任意の支払いに応じなければならない。

 仮に、7万円の賠償金でも、
 銀行としてはメンツの問題。
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 大阪高裁平成26年3月20日判決
 金融・商事判例 No.1472 2015年8月15日号

 被相続人甲の普通預金について、被相続人の子であるXが自己の法定相続分の限度で預金の払戻しを求めた場合において、他の相続人Aの同意がない限り預金の払戻しには応じられないなどとして払戻しを拒否したY銀行のXに対する不法行為責任が認められ、預金払戻請求訴訟の提起および追行に要する弁護士費用相当額の損害の賠償が命じられた事例

 法律上控訴人の本件預金分割払戻請求を拒むことができないことを十分認識していながら、控訴人の本件預金分割払戻請求に対し、後日の紛争を回避したいとの金融機関としての自己都合から、他の共同相続人である丙川夏美の同意ないし意思確認ができない限り応じられないという到底正当化されない不合理な理由を構えて頑なに拒絶し、殊更故意に控訴人の本件預金債権に対する権利侵害に及び、控訴人をして、本来不必要であるはずの本件訴訟の提起並びにその追行に要する弁護士の選任及び弁護士費用の負担を余儀なくさせ、財産上の損害を与えたものであるから、このような行為は、銀行の業務の公共性や預金者の保護の確保を旨とする銀行法1条の目的に反することはもちろん、遅くとも本件預金分割払戻請求があった平成24年10月23日からさらに払戻手続に要するであろう期間2か月程度(上記請求の内容等に照らすと、この程度あれば十分と認めるのが相当である。)が経過すれば、その時点(同年12月23日)において、本件預金の単なる債務不履行の域を超えて、不法行為が成立するものと認めるのが相当である。

 本件訴訟における預金払戻請求の額及び認容額を考慮すると、控訴人の被った弁護士費用相当の損害額は、7万円と認めるのが相当である。

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