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2015年8月24日 (月)

弁護士法23条の2

 判例雑誌は、
 異常な社会の縮図。

 1 弁護士法23条の2の照会請求に応じて損害賠償請求された税理士
 2 照会請求に応じないために損害賠償請求された銀行

 そして、
 3 損害賠償請求権が成り立たないと判断した本件判決

 法律家は、
 議論が好きなのです。

 1万円の請求ですから実利も実益もない意地の訴訟。
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 東京地裁平成27年3月27日判決
 判例時報 No.2260 平成27年8月11日号

 平成26年4月に所属弁護士会に、弁護士法23条の2第1項に基づき、Y株式会社を相手方として、敷金返還請求権等に係る差押命令の申立てをすることを理由とし、照会事項の報告を求めること等を申し出、弁護士会は、Yに弁護士照会を行ったが、同年5月、Yが賃借人の個人情報に関することについては回答できない旨を報告した。Xは、Yに対し、回答拒否につき不法行為に基づき1万円の損害賠償を請求するとともに、中間確認の訴えとして報告義務のあることの確認を請求した。

 本判決は、弁護士法23条の2の構造からすれば、私的紛争の当事者が弁護士会照会に係る報告を得ることによる利益は、弁護士会が照会制度を適正に運用した結果として得られる事実上の利益にとどまり、法律上保護される利益に当たるということはできないとし、Yの不法行為を否定し、報告義務を負うかどうかは損害賠償請求権の存否の前提問題ではないとし、中間確認の訴えが先決性の要件を欠き、不適法であるとし、前記確認の訴えを却下し、その余の請求を棄却した。

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