« おとめ山の紅葉 | トップページ | 銀行の終わり »

2017年12月 5日 (火)

精算型遺贈と譲渡所得

 精算型遺贈について、
 譲渡所得を申告すべき者は受遺者である。

 なぜなら、
 受遺者は、
 実質所得者課税の
 収益を享受する者だからである。
 ―――――――――――
 東京税理士界 2017年12月1日

 しかしながら、本件のような清算型包括遺贈について、遺言執行者は相続人の協力を得ることなく相続財産を処分し得るのであって(前記民事局第3課長回答)、相続人は何ら譲渡に関与していない。

 また、相続人を経由する登記は、所有権移転の経緯を明確に記載するという登記制度の要請に基づきなされもので、かつ、遺言の目的を達成する過程において為されるものである。

 一方、所得税法12条は「資産又は事業から生ずる収益の法律上帰属すると見られるものが単なる名義人であって、その収益を享受せず、その者以外の者がその収益を享受する場合には、その収益は、これを享受する者に帰属するものとしてこの法律の規定を適用する。」と規定している。

 そうすると、本件の相続人は相続財産に係る譲渡益を享受しておらず、その譲渡益は包括遺贈の受遺者が享受しているのであるから、所得税法12条の規定により、本件の相続人が譲渡所得に係る納税義務者となることはなく、包括受遺者が納税義務者であると考える。
 ―――――――――――

 所得税法12条を持ち出すのは如何でしょうか。
 その他に根拠を持ち出せないことの苦肉の立論ではないか。

 もし、
 理論を組み立てるとしたら、
 「換価し、その代金を受け取る」
 それは「換価し、所得税を納め、代金を受け取る」
 そのような負担付遺贈ではないか。

 遺産の経済的な価値は全て受遺者に帰属するが、
 ただ、受遺者には換価代金として受け取らせる。

 それを遺言書の文言で定義すれば、
 「換価し、所得税を納め、代金を受け取る」という負担付遺贈になる。

|

« おとめ山の紅葉 | トップページ | 銀行の終わり »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/73601/66124772

この記事へのトラックバック一覧です: 精算型遺贈と譲渡所得:

« おとめ山の紅葉 | トップページ | 銀行の終わり »